オリーブの中でも特に人気が高いネバディロブランコは、その豊かな枝葉と美しい樹形が魅力の品種です。しかし、成長が早いために「どのように形を整えればいいのか分からない」と悩む方も少なくありません。せっかくお迎えしたオリーブが、気づいたら枝が暴れてしまっていたという経験をお持ちの方もいるでしょう。
この記事では、オリーブ・ネバディロブランコの樹形の特徴や、美しさを保つための剪定のコツ、育て方のポイントを初心者の方にも分かりやすく解説します。お庭のシンボルツリーとして、またベランダを彩る観葉植物として、理想的な姿に育てるためのヒントを詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
オリーブ・ネバディロブランコの樹形と知っておきたい基本情報

ネバディロブランコを育てる上で、まずはその独特な成長の仕方を理解することが大切です。品種によって上に伸びやすいものや、横に広がりやすいものなど個性があるため、ネバディロブランコがどのような性質を持っているかを知ることで、将来の姿をイメージしやすくなります。
スペイン原産のオイル用品種「ネバディロブランコ」
ネバディロブランコは、スペインを原産とするオリーブの代表的な品種の一つです。日本国内でも古くから親しまれており、小豆島などの産地でも広く栽培されています。この品種の最大の特徴は、非常に強健で成長が早いという点にあります。初心者の方でも枯らしにくく、ぐんぐんと育つ様子を楽しめるのが魅力です。
本来はオイルを採るための「オイル用品種」として知られており、その果実には非常に豊富な含油率が含まれています。そのため、家庭で収穫を楽しみたい方にも適しています。また、花付きが非常に良いため、観賞用としても非常に華やかな印象を与えてくれるオリーブと言えるでしょう。
葉の形はやや細長く、裏側が銀色に輝く「銀葉(ぎんよう)」が美しいのも特徴です。風に揺れるとキラキラと光を反射し、お庭やベランダに爽やかな地中海の雰囲気をもたらしてくれます。丈夫で育てやすいことから、初めてオリーブを購入する方への贈り物としても選ばれることが多い品種です。
特徴的な「開張型(かいちょうがた)」の樹形とは
オリーブの樹形には大きく分けて、上にまっすぐ伸びる「直立型」と、横に枝が広がる「開張型」の2種類があります。ネバディロブランコは、このうちの「開張型」に分類されます。枝が柔らかく、自由奔放に横方向へ広がっていく性質を持っているため、放っておくとボリュームのあるこんもりとした形になります。
この開張型という性質は、目隠しとして利用したい場合や、お庭にボリューム感を出したい場合には非常に有利です。一方で、限られたスペースで育てる場合には、定期的な管理が必要になります。枝が垂れ下がるように伸びることもあるため、その柔らかなラインを活かした仕立てを楽しむファンも多いのが特徴です。
もし、狭いスペースでシュッと上に伸びる樹形をイメージしているなら、ネバディロブランコの場合は支柱を使ったり、剪定で方向を修正したりといった工夫が必要になります。その「育てがい」がある点も、ガーデニング好きにはたまらないポイントかもしれません。植物の個性を活かしながら形を作っていく楽しみがあります。
成長スピードが速くボリュームが出やすい
ネバディロブランコは、数あるオリーブの品種の中でもトップクラスの成長スピードを誇ります。植え付けてから数年で一気に枝葉を増やし、存在感を増していきます。このスピード感は、早く大きな木に育てたい方にとっては大きなメリットですが、樹形を美しく保つためには少し注意が必要です。
成長が早いということは、それだけ栄養を吸収する力も強く、枝が次々と出てくることを意味します。特に春から秋にかけての生育期には、驚くほどの勢いで新しい枝が伸びていきます。放任してしまうと、中心部に光が入らなくなるほど密集してしまうこともあるため、適度な間引きが必要になるのです。
しかし、この旺盛な生命力こそがネバディロブランコの強みでもあります。たとえ剪定で切りすぎてしまったとしても、リカバリーが早いため、失敗を恐れずにハサミを入れられるという安心感があります。植物を育てる喜びを、目に見える成長の早さで実感させてくれる頼もしい品種と言えますね。
銀色に輝く葉の密度と美しさ
ネバディロブランコの樹形をより美しく見せているのが、その葉の密度の高さです。他の品種に比べて枝の数も多いため、葉が重なり合って厚みのあるシルエットを作ります。葉の表面は深い緑色をしていますが、裏面には細かい毛が生えており、白っぽく銀色に見えるのがオリーブらしい特徴です。
このコントラストが、風が吹くたびにキラキラとした視覚的な変化を生み出します。特に開張型の樹形によって枝が横に広がることで、光を受ける面積が増え、銀葉の美しさがより一層際立ちます。お庭の緑の中に一つあるだけで、全体のトーンを明るくしてくれる効果が期待できるでしょう。
また、葉が密集するということは、それだけ外部からの視線を遮る力が強いということでもあります。垣根のような役割を持たせたい場合や、隣家との境目に置くシンボルツリーとしても、この密度は大きな武器になります。見た目の美しさと実用性を兼ね備えた、バランスの良い品種といえるのではないでしょうか。
ネバディロブランコの樹形を理想的な姿に導く日常の管理

植物の樹形は、その場の環境や日々の接し方によって大きく変わります。ネバディロブランコ特有の美しい広がりを維持するためには、ただ水をあげるだけでなく、少しだけポイントを押さえた管理が必要です。ここでは、きれいな形を保つための基本的な育て方のコツをご紹介します。
日当たりが樹形のバランスを左右する
オリーブは太陽の光をこよなく愛する植物です。特にネバディロブランコのような開張型の品種は、光を求めて枝を伸ばす性質が強いため、日当たりが偏っていると樹形が大きく崩れてしまいます。例えば、壁際に置いていると光の当たる方向だけに枝が伸び、不自然に傾いた形になってしまうのです。
美しい放射状の樹形を目指すなら、できるだけ一日中太陽が当たる場所で育てるのが理想的です。もし鉢植えで育てているのであれば、定期的に鉢を回して、全方向に光が当たるように調整してあげましょう。これだけでも、片側だけがハゲてしまったり、枝が弱々しく徒長したりするのを防ぐことができます。
また、光が十分に当たっていると葉の色艶も良くなり、ネバディロブランコ特有の銀色の輝きがより鮮明になります。逆に日陰で育てていると、葉の間隔が広がってしまい、スカスカとした印象の樹形になってしまいます。光は、健康に育てるための栄養であると同時に、形をデザインする道具でもあるのです。
風通しを確保して枝の健康を守る
ネバディロブランコは枝葉が密集しやすいため、風通しの確保が樹形維持の鍵となります。風通しが悪いと、木の内側に湿気が溜まりやすくなり、病気や害虫が発生する原因になります。特に、内側の古い葉が黄色くなって落ちてしまうのは、光と風が届いていないサインであることが多いです。
風通しが良い環境では、枝の一本一本が丈夫に育ちます。そよ風に揺れることで幹や枝に適度なストレスがかかり、自重を支えるための太さや強さが養われるのです。ひょろひょろとした「もやしっ子」のような枝ばかりにならないためにも、周囲に十分なスペースを空けて配置することが重要です。
地植えにする場合は、将来的に枝が横に広がることを想定して、他の植物や構造物から少し離れた場所に植えてあげましょう。狭い場所に押し込めてしまうと、本来の伸びやかな樹形が損なわれてしまいます。ゆったりとしたスペースの中で、ネバディロブランコの個性を存分に発揮させてあげたいですね。
水やりと肥料による成長コントロール
水やりと肥料の与え方も、間接的に樹形に影響を与えます。オリーブは乾燥に強いイメージがありますが、成長期のネバディロブランコは水を好みます。水不足になると、新しい枝の伸びが悪くなったり、葉が丸まって元気がなくなったりします。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本です。
肥料については、与えすぎに注意が必要です。特に窒素分の多い肥料を大量に与えると、枝が異常なスピードで伸びる「徒長(とちょう)」という現象が起こります。徒長した枝は柔らかく自重で垂れ下がりやすいため、結果として樹形が乱れる原因になります。肥料は説明書通りの量を、時期を守って与えましょう。
基本的には春(3月)、初夏(6月)、秋(10月)の年3回が目安となります。木の状態を見ながら、勢いが強すぎるときは少し控えるなど、対話するように管理するのがコツです。健康的なペースでじっくりと育てることが、最終的に崩れにくいしっかりとした樹形を作ることにつながります。
若木のうちに行う「仕立て」の重要性
ネバディロブランコを自分好みの樹形にしたいなら、まだ木が若いうちの「仕立て」が非常に重要です。オリーブは一度太くなった幹を曲げるのは難しいため、細い枝のうちにどのような方向に伸ばすかを決めてあげる必要があります。この段階での工夫が、数年後の完成度を大きく左右します。
例えば、一本の太い幹をまっすぐ立ち上げたいなら、早い段階で支柱を立てて紐で固定します。逆に、低い位置から枝を広げたい場合は、主幹をある程度の高さで切り、脇枝の成長を促します。ネバディロブランコは枝が柔らかいので、ワイヤーや紐を使った誘引(ゆういん)にも柔軟に対応してくれます。
若木は成長が早いため、放っておくとどんどん自分勝手な方向に伸びてしまいます。時々遠くから木全体を眺めて、「ここはもう少し右に伸ばしたいな」「この枝は強すぎるな」といった具合にチェックする習慣をつけましょう。小さな修正を繰り返すことが、美しい大木へと育てる最短ルートになります。
【樹形を整える管理のポイントまとめ】
1. 鉢植えは定期的に回転させ、均一に日光を当てる。
2. 密集した場所を避け、風が通り抜ける環境を作る。
3. 肥料の与えすぎを避け、健康的な太さの枝を育てる。
4. 支柱を活用して、理想の方向へ枝を導く。
ネバディロブランコの樹形を保つための剪定テクニック

オリーブ栽培において、最も重要で、かつ楽しみでもある作業が「剪定(せんてい)」です。特にネバディロブランコは成長が早いため、剪定をマスターすることが美しい樹形をキープするための絶対条件となります。ここでは、いつ、どのようにハサミを入れればよいのかを具体的に解説します。
剪定を行うベストな時期と基本的な考え方
オリーブの剪定には、大きく分けて「冬季剪定」と「夏季剪定」があります。最も本格的な形作りを行うのは、木の動きが緩やかになる2月から3月ごろの冬季剪定です。この時期であれば、大胆に枝を切っても木へのダメージが少なく、春からの新芽の出方をコントロールしやすくなります。
基本的な考え方は「光と風の通り道を作ること」です。木の内側まで太陽の光が差し込み、風がスッと吹き抜けるような状態を目指します。ネバディロブランコは放っておくとジャングルのように茂ってしまうため、適度に空間を空けることを意識しましょう。イメージとしては、木の中に小鳥が飛び抜けられるくらいの隙間が理想です。
夏場の剪定(5月〜8月)は、伸びすぎて形を乱している枝を軽く整える程度にとどめます。夏は暑さで木も体力を消耗しているため、あまり強く切りすぎないのがコツです。一年を通して、木の健康状態を観察しながら、不要な枝を少しずつ整理していく習慣をつけると、大掛かりな作業を減らすことができます。
不要な「忌み枝(いみえだ)」の種類と見分け方
剪定でまず最初に取り組むのが、樹形を乱し、栄養を無駄遣いさせてしまう「忌み枝」の除去です。これらを見分けることができるようになれば、どこを切ればいいか迷うことがなくなります。以下に、代表的な忌み枝の種類をまとめましたので、木を観察する際のチェックリストにしてみてください。
| 枝の種類 | 特徴とデメリット | 対処法 |
|---|---|---|
| ひこばえ | 根元から勢いよく伸びる枝。主幹の栄養を奪う。 | 根元から切り取る |
| 徒長枝(とちょうし) | 上に向かって一直線に強く伸びる枝。形を乱す。 | 付け根から切る |
| 交差枝(こうさし) | 他の枝とぶつかり合っている枝。傷の原因になる。 | どちらか一方を切る |
| 平行枝 | 同じ方向に重なって伸びている枝。日当たりを遮る。 | バランスの悪い方を切る |
| 逆さ枝 | 木の中心に向かって伸びる枝。風通しを悪くする。 | 早めに除去する |
これらの枝は、残しておいても美しい樹形には寄与しません。特にネバディロブランコはこれらの枝が出やすい傾向があるため、見つけ次第こまめに整理してあげましょう。忌み枝を取り除くだけでも、全体のシルエットが驚くほどスッキリとし、オリーブ本来の気品ある姿が際立ってきます。
樹形をコンパクトに保つ「切り戻し剪定」のコツ
「枝が横に広がりすぎてスペースに困っている」という場合に有効なのが、切り戻し剪定です。これは、伸びすぎた枝を途中の節や脇枝がある場所で切り、長さを短くする手法です。ただ適当に先端を切るのではなく、「次にどちらの方向に枝を伸ばしたいか」を考えて切る場所を決めるのがプロの技です。
枝を切る際は、残したい芽(節)の数ミリ上でカットします。その芽が向いている方向に新しい枝が伸びていくため、外側を向いている芽の上で切れば、より外側に広がるようになります。ネバディロブランコの場合、広がりを抑えたいときは、内側や上を向いている芽を残して切り戻すと、少しコンパクトにまとめられます。
ただし、あまりにも一度に短くしすぎると、反動で強い枝(徒長枝)が出やすくなることがあります。全体のバランスを見ながら、一気に理想のサイズにするのではなく、1年〜2年かけて徐々に追い込んでいくイメージで行うのが成功の秘訣です。焦らず、木のペースに合わせながら形を整えていきましょう。
剪定後のケアと癒合剤(ゆごうざい)の使用
剪定は植物にとって「手術」のようなものです。特に太い枝を切った後は、その切り口から雑菌が入ったり、水分が蒸発して枯れ込んだりするリスクがあります。ネバディロブランコは回復力が強いとはいえ、長く美しい樹形を楽しみたいのであれば、剪定後のケアもしっかりと行いたいものです。
直径2センチ以上の太い枝を切ったときは、切り口に「癒合剤」を塗って保護してあげましょう。これは傷口を塞ぐ絆創膏のような役割を果たし、木が自分自身の力で傷を治すのを助けます。市販されているオレンジ色のペースト状のものが一般的で、これを塗るだけで安心感が全く違います。
また、剪定後は木が新しい芽を出そうとエネルギーを使います。タイミングを見てお礼肥(おれいごえ)として少量の肥料をあげると、回復が早まります。丁寧に手入れをされたオリーブは、それに応えるように美しい新芽を吹かせてくれるはずです。剪定を単なる作業と思わず、コミュニケーションの一環として楽しんでください。
剪定した後の枝は、挿し木(さしき)に利用することもできます。ネバディロブランコは挿し木の成功率も比較的高い品種なので、お気に入りの一鉢を増やす楽しみも広がりますよ。
ネバディロブランコをシンボルツリーにする魅力

その豊かな樹形と美しい銀葉を持つネバディロブランコは、お庭のシンボルツリーとして非常に優れた素質を持っています。一本あるだけで景色をガラリと変えてくれる力があるのですが、その魅力を最大限に引き出すためには、いくつかの活用ポイントを知っておくと役立ちます。
お庭の主役になる堂々とした存在感
ネバディロブランコをシンボルツリーに選ぶ最大のメリットは、その圧倒的な存在感です。開張型の樹形は、縦に長い直立型とは異なり、空間を「面」で埋めてくれるため、お庭に安定感と豊かさを演出してくれます。特に玄関先やアプローチの広いスペースに植えると、優雅な枝ぶりが訪れる人を温かく迎えてくれます。
また、成長が早いため、比較的短期間で「立派なシンボルツリー」としての形を成してくれます。苗木を買ってきてから、何十年も待たなければならないというもどかしさが少ないのも、この品種の良さですね。年を重ねるごとに幹が太くなり、ゴツゴツとした味わい深い樹皮へと変化していく様子は、まさに一生モノの付き合いになるでしょう。
夜間にライトアップを施すのもおすすめです。横に広がった枝葉が光を浴びると、幻想的な影が地面や壁に映し出され、昼間とは全く違う表情を見せてくれます。銀葉が光を反射して白く浮かび上がる様子は、非常にドラマチックです。自分だけのお気に入りの風景を、ネバディロブランコと一緒に作り上げてみませんか。
豊富な花粉で他のオリーブを助ける「受粉樹」の役割
オリーブを育てる楽しみの一つに「実を収穫すること」がありますが、実はオリーブの多くは自分自身の花粉では実をつけにくい「自家不結実性」という性質を持っています。そこで活躍するのが、花粉の量が非常に多いネバディロブランコです。この品種は、他のオリーブにとっての最高なパートナーになるのです。
ネバディロブランコが近くにあるだけで、他の品種(ミッションやマンザニロなど)の実付きが劇的に良くなることがあります。そのため、お庭に数本のオリーブを植える予定があるなら、必ず一株はネバディロブランコを混ぜておくのが定石です。受粉樹としての役割をこなしながら、自身も美しい樹形を保つ姿は、お庭の「頼れるまとめ役」といえます。
もちろん、ネバディロブランコ自身も実をつけます。小粒ながらもオイル分がたっぷり含まれた実は、塩漬けにしたりオイルを絞ったりと、収穫後の楽しみも提供してくれます。樹形を観賞するだけでなく、実りの恩恵まで受けられるのは、家庭果樹としてのオリーブならではの贅沢ですね。
鉢植えでコンパクトに楽しむための工夫
「地植えにするスペースはないけれど、ネバディロブランコの樹形を楽しみたい」という方もご安心ください。ネバディロブランコは鉢植えでも十分に楽しむことが可能です。鉢植えの場合、根の広がりが制限されるため、地植えほど巨大化することはありません。ベランダやテラスでも、その美しい広がりをコンパクトに再現できます。
鉢植えで美しく育てるコツは、鉢のサイズと樹形のバランスを意識することです。あまりに小さな鉢に閉じ込めると枝が弱ってしまいますが、逆に大きすぎる鉢は根腐れの原因になります。2〜3年に一度、植え替えを行いながら、根と枝のボリュームを調整してあげましょう。鉢のデザインにこだわることで、樹形とのトータルコーディネートも楽しめます。
また、鉢植えであれば移動ができるのも利点です。季節に合わせて一番日当たりの良い場所に置いたり、台風の時は避難させたりと、きめ細かな管理ができます。開張型のネバディロブランコは、鉢植えにすると少し垂れ下がるような優しいシルエットになりやすく、それがまた都会的なインテリアにもマッチします。
他の植物との混植で風景に厚みを出す
ネバディロブランコの樹形は、足元の植物との相性も抜群です。枝が横に広がる性質を活かして、その下に半日陰を好む植物を植えることで、お庭に立体的なレイヤーを作ることができます。例えば、ラベンダーやローズマリーなどのハーブ類を混植すると、地中海風の雰囲気がさらに高まります。
オリーブの銀葉は、どんな色の花とも調和しやすい万能な背景になります。鮮やかな色の花を前に植えれば、シルバーグリーンが花の色を引き立ててくれますし、白い花を合わせれば、清楚で上品な空間が出来上がります。ネバディロブランコを中心に据えることで、周囲の植物たちまでが生き生きと輝き出すから不思議です。
このように、単体で楽しむだけでなく、お庭全体の構成を考える際の「軸」として機能するのがネバディロブランコの凄さです。季節ごとに足元の花を植え替えたり、マルチング(土の表面を覆うこと)にバークチップや石を使ったりして、自分なりの樹形の世界観を広げてみてください。
よくある悩みと樹形のトラブル解決策

ネバディロブランコを育てていると、時には「思っていた姿と違う」という悩みや、予期せぬトラブルに直面することもあります。成長が早いからこその悩みも多いですが、適切な対処法を知っていれば、すぐに元の美しい状態に戻すことができます。代表的なケースとその対策を見ていきましょう。
枝が暴れて手に負えない時のリセット法
「気づいたら枝が四方八方に伸びてしまい、どこから手をつければいいか分からない」という状態、実はネバディロブランコ栽培ではよくある話です。そんなときは、思い切って「強剪定(きょうせんてい)」を行い、形を一から作り直すリセットを検討しましょう。勇気がいりますが、元気な株ならすぐに新しい芽を吹いてくれます。
リセットを行う時期は、やはり休眠期の2月から3月が最適です。まずは全体の高さを半分から3分の1程度まで切り詰め、次に混み合っている太い枝を根元から抜いていきます。このとき、将来的に主軸にしたい枝だけを数本残すのがポイントです。一時的に寂しい姿になりますが、春になると驚くほど勢いのある、まっすぐで素直な新芽が出てきます。
暴れてしまった枝を無理に修正しようとするより、一度リセットして若返らせる方が、結果的に長く美しい樹形を楽しめることが多いです。剪定を繰り返す中で「自分の理想とする形」が見えてくるはずですので、失敗を恐れずにチャレンジしてみてください。ネバディロブランコの生命力を信じてあげましょう。
害虫(オリーブアナアキゾウムシ)から樹形を守る
オリーブの樹形を根本から破壊してしまう最大の敵が「オリーブアナアキゾウムシ」です。この虫は幹の中に卵を産み、孵化した幼虫が幹の内部(形成層)を食べてしまいます。被害が進むと、ある日突然、大切な枝が枯れたり、最悪の場合は木全体が倒れてしまったりすることもあります。
樹形を美しく保つためには、この害虫を寄せ付けない、あるいは早期発見することが欠かせません。株元に木屑(おがくずのようなフン)が落ちていないか、こまめにチェックしてください。もし見つけたら、穴の中に針金を差し込んだり、専用の薬剤を注入したりして退治します。特に地植えで大きく育てている場合は、下回りの清掃を徹底し、隠れ場所を作らないことが予防につながります。
また、樹勢が弱っている木は害虫に狙われやすいため、日々の水やりや肥料で木を健康に保つことも間接的な対策になります。害虫被害を免れたとしても、一度食い荒らされた幹は弱くなり、形が歪んでしまうこともあります。「美しい樹形は健康な体から」という意識を持って、足元のチェックを怠らないようにしましょう。
下枝が枯れて上が重くなってしまったら
成長したネバディロブランコによく見られるのが、上部の枝ばかりが茂り、下の方の枝が枯れてスカスカになってしまう現象です。これは「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という植物の性質と、上部の枝が影を作って下の枝に光が当たらなくなることが原因です。この状態を放っておくと、重心が上がりすぎて風で倒れやすくなってしまいます。
このトラブルを防ぐには、上部の枝を積極的に間引いて、下まで光を届ける「透かし剪定」が必要です。上の枝が横に広がりすぎている場合は、少し切り戻して傘のサイズを小さくしてあげましょう。光が当たるようになれば、止まっていた下の芽が再び動き出し、全体のボリュームが均一に整っていきます。
「上を抑えて、下に光を」というのが、オリーブの樹形維持における黄金律です。特にネバディロブランコは上が茂りやすいため、意識的に頭頂部のボリュームをコントロールしてあげることが、長くバランスの良い姿を楽しむコツになります。全体のシルエットが「二等辺三角形」になるように意識すると、美しく見えますよ。
台風や強風による枝折れへの備え
ネバディロブランコの柔らかく広がる枝は、風の影響を強く受けやすいという側面があります。特に日本では避けて通れない台風シーズンは、せっかく整えた樹形が台無しになってしまうリスクがあります。太い枝が裂けるように折れてしまうと、その後の形を修正するのが非常に大変です。
強風対策として最も有効なのは、やはり適切な剪定です。風が通り抜ける隙間をしっかり作っておけば、風圧を逃がすことができます。さらに、大きな枝には支柱を添えて補強したり、必要に応じて枝同士を紐で軽く結んで「遊び」を持たせながら固定したりするのも効果的です。鉢植えの場合は、早めに風の当たらない場所に避難させましょう。
万が一枝が折れてしまった場合は、折れた箇所を綺麗に切り直し、癒合剤を塗って二次被害を防ぎます。残った枝でどのように形を再構成するか、これもまたガーデナーの腕の見せ所です。トラブルを経験するたびに、木との絆が深まり、よりその個性に合わせた育て方ができるようになっていくはずです。
【トラブル対策のチェックリスト】
・株元に不自然な木屑が落ちていないか確認する(害虫対策)。
・上部の枝を透かして、株元まで光を通す(下枝の維持)。
・台風前には混み合った枝を間引き、支柱の緩みをチェックする(倒伏・折損防止)。
・形が崩れすぎたら2〜3月に思い切って強剪定を行う(リセット)。
まとめ:オリーブ・ネバディロブランコの樹形を美しく育てよう
オリーブ・ネバディロブランコは、その旺盛な生命力と「開張型」という豊かな樹形によって、私たちに育てる喜びを存分に味わせてくれる品種です。銀色に輝く葉が密に茂る姿は、お庭やベランダを彩る最高のシンボルツリーとなってくれるでしょう。
美しい樹形を保つためのポイントは、何よりも「日当たり」と「風通し」を意識した環境づくり、そして「適切な時期の剪定」にあります。成長が早いという特徴をポジティブに捉え、多少の失敗を恐れずにハサミを入れることで、あなただけの理想のオリーブへと仕立てていくことができます。
時々遠くから木を眺め、不要な枝を整理して光の通り道を作ってあげる。そんな丁寧な積み重ねが、数年後には見違えるような立派な大木へとつながります。受粉樹としても優秀なネバディロブランコと共に、緑あふれる豊かなオリーブライフをぜひ楽しんでください。その柔らかな枝ぶりが、きっと毎日の生活に安らぎを運んできてくれるはずです。



